茫々たる薄野原の真ん中で、萩の花枝を幾本か右手に持った狩衣姿の男がいる。 歳の頃は、四十ほど。空に昇りゆく煌々と冴えた月を眺めている。 はて、紅葉狩りにと出かけてみたが、どうやら迷い子になってしまったらしい。 従者の姿も、何もない。 けれども…
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