菅野樹のよもやま

創作、妄想、日々のもろもろ

2015-04-14から1日間の記事一覧

くだきつね

茫々たる薄野原の真ん中で、萩の花枝を幾本か右手に持った狩衣姿の男がいる。 歳の頃は、四十ほど。空に昇りゆく煌々と冴えた月を眺めている。 はて、紅葉狩りにと出かけてみたが、どうやら迷い子になってしまったらしい。 従者の姿も、何もない。 けれども…